2017.07.27照明プロダクトをつくる周辺とそれから part 1

先月、6月にインテリアライフスタイル(IFFT)の企画の中で、トークをしてきました。
テーマは「デザイン照明器具の新しいトライアル」
メーカー勤務のときの経験からと独立してから見えてきた、ものづくりへの考え方や思いがありました。ですので、これからどんなスタイルや立場で照明のプロダクトをつくっていくのが理想かを提案し、話しながらも自分自身に問いかけていたような気がします。
照明以外のプロダクトにも共通することはもちろんあり、ものつくりということの根本を問いただす思いもあって、トークの資料をつくり臨みました。
ちょうど、去年からタイムアンドスタイルさんの照明プロダクトの製造ディレクションをやっていて、このIFFTのタイムアンドスタイルのブースでプロトタイプを発表していたタイミングでもありました。

このようなプロジェクトには、企画・販売する側(依頼者) 、製造する側(メーカー、その他) があって。その双方だけでスムーズに工程が進む場合と、なかなか難しく困難にぶち当たる場合があるというのを前提に、どのようなスタイルが理想的かということを話しました。
私は、時々、紹介をしてほしいと頼まれることがあります。「◯◯を作っているところを紹介して欲しい」「◯◯さんを紹介してほしい」「◯◯の工場を紹介してほしい」など。ある方にアドバイスを受けた時から、紹介だけはしないことにしました。「必ず、間に入ること。これが大事」なのだと確信したからです。お互いの分野をよく知る同士ならば問題ないと思います。しかし、よく知らないから紹介してほしいと聞いてくるのだと思うし、一度紹介だけをしてその後プロジェクトが進まなくなったというケースもありましたから。間に入ったから必ずうまくいくとも限らないのだけれど、入るなら入るで覚悟をもって臨むべきだと感じています。

トークでは、関わった立場の人間はディレクターでもデザイナーでも最終的に出来たものがエンドユーザーに届くところまで意識するべき、プロダクトがシーンや空間でどのように見えてくるかを捉えるべきということを強調しました。でも、聞いている側の人たちは、きっと自分の立場におきかえ都合の良いように理解して聞いていたか、ただ初めて聞く内容に面食らっていたか。。いや、それとも自分は伝えたつもりが、伝わってなかったのか。そんな気がしたのは、その後に訪れたいろんなことがあったからです。私も、初めてそのような場を経験したので、新鮮でもあり考えさせられたことでもありました。

長い間、人気商品として愛される照明プロダクトには、やはり理由があります。

◯デザイナーとメーカーとの間で繰り広げられた、妥協のない開発ストーリー。
◯自社の商品として、「売る」ということに責任とプライドを持ち強い思いを注ぐメーカーの情熱がある。
◯自信をもって提供できる、クオリティの高さ。
◯市場に受け入れられる価格設定。
◯空間の中に機能とデザインが自然と溶け込んでいる。

著名デザイナーによるものであれば、注目度も高いし、メディアもこぞって取り上げるでしょう。
商品として出来上がるまでについても、つくる側も依頼者側も、デザイナーの持つ力によってある程度のクオリティまで仕上げることは難しくないかもしれません。費用もそれなりにかかることも覚悟していれば。
依頼者、販売するブランドおよびメーカーはその後その商品をずっと売り続けるための努力が必要になります。売り続けるということは、時代を超えて愛される商品にしていくという努力でもあり、決して打ち上げ花火で終わってはいけない。売れなくなってきたとき、決してデザインやデザイナー、製作に関わった人たちのせいや市場のせいにもしてはいけないし、とにかく何かのせいにしてはいけない。なので、著名デザイナーのものであろうと無名な若手デザイナーのものであろうと、売るほうにとっては、ただひとつ「うちの大事な商品」ということ以外、それを超える理由は無いと思うのです。愛されづつける理由、すべてに最初は当てはまらないとしても、売る側が商品を育てていくための努力をしていくことによって最終的にタイムレスな売れ続けるものになっていくのではないでしょうか。
オリジナル商品をつくることについてはもちろんのこと、セレクト商品を売る場合でも同じだと思います。

part2に続く。


▲ FLOS GLO-BALL シーリングタイプ。デザイナーはジャスパー・モリソン。
FLOSの中でも群を抜いて売れ続けている照明プロダクト。FLOSのトップであるピエロ・ガンディーニは、相手がジャスパー・モリソンであろうと、メーカーとして売る側の強い意思を貫いたというストーリーがあります。